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「パラグライダー」 (6月2日(土)放送)

番組の57回目のテーマは「パラグライダー」

幼い頃、大空に憧れた。なぜ、鳥のように飛べないのだろうか。
これまで、あまたの科学者や冒険家が大空に夢を馳せ、果敢に挑んできた。
しかし、今は違う。僕らは簡単に翼を手に入れられるのだ。
風を受けて舞い上がり、天空を自由に駆け回る。
これまで人間が見ることのできなかった世界が目の前に広がっている。

パラグライダーの歴史は新しい。
1978年、フランスのスカイダイバーがパラシュートで山から離陸したことが始まり。
それ以後、研究と改良がなされ、現在の形になった。
日本のパラグライダー愛好者は2万人~3万人といわれている。
安全なスポーツとして確立され、スカイスポーツで障害保険が適用されるのは気球とパラグライダーだけだ。
道具はいたってシンプル。キャノピーと呼ばれる翼、ライン、体を支えるハーネスが基本的な道具。
コックピットでもあるハーネスは、座ってクルージングできるシートタイプになっている。ショックを吸収し、脊椎を保護する役目もあり、緊急時のためのパラシュートも中に収納されている。
パラグライダーは風を受けることで翼のような形状に変化する。
その時、進行方向から空気が流れてくると、翼の上下で空気の速度の違いで圧力差が生じ、「揚力」が発生する。
パラグライダーは飛行機と同じ力学で飛ぶ乗り物なのだ。
だからこそ自由に飛べるようになったとき、まったく違う世界を味わう事もできるのだ

パラグライダーには自動車や飛行機のような国家ライセンス、つまり免許はない。
しかし、レベルに応じた技能証制度がある。自分の技量を知る上でも、安全のためにも必要だ。そのライセンスは5段階。

4段階目のパイロット証を取得すれば、全国のフライトエリアで飛ぶことができ、競技会にも参加できる。
ライセンスの中で最も高いレベル、クロスカントリー証を取得すれば日本全国どこからでも、どこまででも飛ぶことが可能になり、文字通り大空を自分のものにできるのだ。