STYLE BOOK

「ゲーム」 (5月5日(土)放送)

番組の53回目のテーマは「ゲーム」。
洋の東西を問わず、人々はこれまでに様々なゲームを生み出し、次々と改良を加えては独自の楽しみを見出してきた。いつの世も、ゲームは、僕らの体にアドレナリンを大量分泌させ、興奮状態へと導く。それはときに対戦相手への優越感となり、またときには、敗戦の屈辱ともなる。テレビゲームとの最大の違いは、その1点につきる。対戦相手がいるか、否か。そこにコミュニケーションがあるのか、ないのか。ボードゲームは決して1人ではできない。2人、3人、4人の間には会話が生まれ、その会話がコミュニティーを作り、コミュニティーは文化を生む。

東京・青山にあるオーダーショップ・アンジュノワール。
ここには強烈な個性が光るアイテムが世界中から集まっている。
例えば、ダンヒルのポーカーセットはすべてハンドメイド。
木製チップには、希少な蛇革があしらわれ、ダイスは、その素材にマンモスの牙とバッファローの角を使用。ボックスは、最高級レザーブランド・ギソーの手により、ラグジュアリーな豚革でメイキャップされた、美しい逸品だ。

ボードゲームの本場・ドイツから直輸入したゲームを扱う専門店。メビウス。
テレビゲームやパソコンでゲームを楽しむ時代になった今も、全世界で年間約1000種類以上ものボードゲームが新たに生まれているという。
ゲーム界のアカデミー賞とも呼ばれる、権威あるドイツゲーム大賞において2006年度の大賞を受賞したのが、「郵便馬車」。郵便網をいち早く整備したものが勝利するという、このゲームは、社会のしくみを理解した大人だからこそ楽しめるゲームだ。さらに何より目を引くのは、そのデザイン性の高さである。

酒とゲームには、1つの共通点がある。
それは、どちらもが最高のコミュニケーション・ツールであること。
それさえあれば、誰とでも語り合えることだ。
中でもゲームは、ときに言葉の壁さえも飛び越え、見ず知らずの相手との距離をグッと縮めてくれる。1つの出会いが偶然でも、必然でも、そこにゲームのような危険な楽しみが見つかれば、人生は深く楽しい。