STYLE BOOK

「日本の靴」 (3月17日(土)放送)

番組の48回目のテーマは「日本の靴」。

ドレスシューズ、ビジネスシューズ、ブーツ・・・
靴のない生活など考えられない。とはいえ、靴はそもそも西洋の文化だ。
日本人が初めて靴を履いたのは江戸時代末期。以後、日本でも数多くの靴メーカーが誕生し、西洋の靴を手本としながも、誠実に実直に靴を作り続け、その技術を伝えてきた。以来日本の老舗ブランドは日本人ための靴を作り続け100年以上の歴史を重ねてきた。日本人による日本人のための靴。日本人にしか作れない靴が、そこにある。

日本の靴を語る上で、まず押さえるべきブランドがある。大塚商会だ。
いわずと知れた日本最古のブランドであり、皇室御用達の老舗としても名高い。
明治5年、新橋に創業。以来135年。西洋靴という新しい文化が日本に定着したのは、創業者・大塚岩次郎の功績が大きいと言えるだろう。明治40年には、30種類を超える靴が掲載された、カタログを制作。そして今も、僕らはその流れをくむ靴を手にすることができる。さらに、そこに足を滑り込ませたとき、その履き心地に「日本人にしか作れない靴」という意味を知るだろう。

意外と知られていないが、先の3月15日は「靴の記念日」だった。
明治3年、東京築地に日本初の靴製造工場が誕生した日だ。
その日本最古の靴工場の流れをくむのが、誰もが知るエグゼクティブ・ブランド、「リーガル」だ。
リーガルコーポレーションの創業は明治35年。日本初の靴工場を含め、数社が合流して誕生したリーガルは以来105年間、日本人のための靴を作ってきた。
長きにわたって、多くの日本人を魅了してきたリーガル。
そんなリーガルが創業100年を期に、新たにオープンさせたフラッグシップショップ。
それが東京銀座のリーガル東京だ。店内には、従来のリーガルとは一味違った、ここにしかない靴がズラリと並ぶ。どの靴も眩ゆいばかりの輝きを放っている。

日本人の足とライフスタイルに合った靴はやはり日本人が一番良く知っている。
電化製品も自動車も元は西洋の文化だった。
しかし日本のメーカーは今や、世界をリードしている。
日本の靴は世界をリードできるのか。そんな議論は意味がない。
僕らにとっては、いつだって日本人が作る日本の靴が最高なのだから。