STYLE BOOK

「ボールペン」 (2月17日(土)放送)

番組の45回目のテーマは「ボールペン」。
自分にとっては極めて重要な要件を書き込むとき、
僕らは今もボールペンを握る。
手帳にスケジュールを書き込むときも同じだ。
他人のためではなく、あくまで自分のために書く。
ならばその瞬間に取り出す筆記具は、自分のエゴを前面に押し出した、個性的な1本でありたい。「美しいフォルム」と「自分好みの書き味」。2つのエゴを同時に満たしてくれる筆記具、それがボールペンなのだ。

1943年、ハンガリー出身のジャーナリストが魔法のペンを開発して以来、わずか60年余り。ボールペンはその短い歴史の中で驚くほど多様な進化を遂げた。
ボディーデザイン、グリップ、ペン先、インク、書き味。その総てにおいて独自のスタイルを持つ。

シルバーの存在感。それがイギリスのブランド
「ヤード・オ・レッド」の存在意義だ。
ペンの素材にはすべて純銀を使用。
そして今なお、職人の手で1本1本手作りされるペンは高い評価を受けている。
しかも、すべてのペンにライフタイム・ギャランティー、つまり一生涯保障がついているのだ。もしも、たった1本、人生の伴侶となるボールペンを手に入れたいのならヤード・オ・レッドを候補にしてもいい。

子供の頃、誰もが憧れたブランド「フィッシャー」。アポロが月へ持っていった宇宙ペンで知られ、今なお、すべての宇宙計画で使用されるのがフィッシャーのボールペンだ。
リフィル内の窒素ガスの圧力でインクを押し出すことにより、無重力状態でも上を向いても書けると聞いて素直に驚いたはずだ。

まるで宇宙船を思わせる丸みをおびた1本の中にNASAを満足させた宇宙テクノロジーが入っているとは、だれが想像できるだろうか。

ボールペンを使う瞬間を大切にしたい。
何故なら、その瞬間は、自分の大切な出来事を書き記す時なのだから。