STYLE BOOK

「本」 (2月3日(土)放送)

番組の43回目のテーマは「本」。

本を手に取る。そしてページをめくる。
文字の世界に引き込まれ、画像に目を奪われた、その時。
時間は止まり、音は消える。そこに現れるのはイマジネーションの宇宙。

およそ半世紀前に日本に紹介され、文学界に衝撃を与えた「グレート・ギャッツビー」。
この作品を高く評価する小説家の村上春樹が新訳に取組み、現代に甦らせた。
この本に更なる魂を吹き込んだのが、イラストレーター和田誠による装丁。
時代の空気を感じさせる表装が物語への期待感を膨らませてくれる。

明治の頃、ブックデザインという考え方は定着していたといわれる。
夏目漱石は「こころ」の装丁を自ら手がけている。
本は読者の手に」渡らなければ意味が無い。
優れた装丁とは、まず手にとってみたくなる欲望を刺激する。

六本木ヒルズ49階に会員制のライブラリーがある。
「アカデミーヒルズ六本木ライブラリー」
ここは図書館というより知的サロンと呼ぶにふさわしい。
このライブラリーの魅力は、眺望。
大都会の夜景を静かに眺めながら、イマジネーションの世界に没入できる。

本に誘惑されてみる。
本に心をゆだねてみる。