STYLE BOOK

「ポスター」 (6月3日(土)放送)

番組の第10回のテーマは「ポスター」。

ポスターは「時代の証人」であるという人がいる。
その時代、人の心を鮮やかに映し出す。都市の中で生きているアート。
「時代を動かすデザイン」といえる。

日本のデザイン界において「巨人」と呼ばれた男がいる。
亀倉雄策。彼が生み出したポスターは、人々を熱狂させた。
1964年、東京で行われたオリンピックのポスター。
ポスター3部作として制作された。3枚が並んで貼られ、
連続することを考慮されたデザイン。
「大切なのは、誰が見ても共感をおぼえるもの、そして、
公式ポスターらしく堂々としていること」。

資生堂の初代社長、福原信三。
元、写真家だった彼は日本で始めて意匠部(現・宣伝部)を発足させて本格的な
宣伝活動を開始した。
パッケージデザイン、ポスターや新聞など、美術学校の学生や若手画家が
スタッフとなり、デザインが生み出された。
企業におけるデザインの重要性を認識していた福原の先見性。
お馴染みの「花椿マーク」も、信三が原型をデザインしたといわれる。

ポスターは街に開かれているアートである。