番組の９５回目のテーマは「オーディオブック」
読書のスタイルも変化の時を迎えた。
本を朗読した音声をパソコンからダウンロードして耳で楽しむオーディオブック。
時と場所を選ばぬ手軽さだけではない。耳からの刺激は、僕らを思いもよらぬ世界へと誘ってくれる。
視覚に頼らないことで無限に広がる活字の宇宙。目を閉じて、耳で読む本・オーディオブック。

オーディオブックには二つのタイプがある。一つは書店で購入する、朗読ＣＤだ。
オーディオブックが普及しているアメリカでは、新刊の発売と同時に、そのオーディオブックが書店に並ぶ。自動車での長時間通勤が当たり前のアメリカでは、運転中の娯楽として本を聴く。その売り上げは書籍の１０％に当たるという。
現在主流なのは、音声データをインターネットでダウンロードするタイプだ。

音楽配信サイト「アイチューンズ・ストア」には、推定で２万５０００以上のコンテンツが揃い、そのジャンルは多岐に亘る。

オーディオブックは、手軽に本を読むための便利ツールではない。
視覚にとらわれることなく、イマジネーションを膨らませるための新たな読書スタイルなのだ。
音のひびきに心を委ねる。
音だからこそ伝わる言葉の魅力に気付く。
そこから沸き上がる感情は、活字の世界の何倍も心地よい。