惜櫟荘ものがたり
番組概要
岩波茂雄、吉田五十八(いそや)という2人の天才の夢が、
70年の時を経て
平成の大ベストセラー作家に引き継がれる。
この番組は、日本の歴史的建造物を守るために立ち上がった、ひとりの作家の情熱の物語。 「惜櫟荘(せきれきそう)」という近代数寄屋建築の最高峰の3年にわたる修復・復元を追い、岩波書店創業者と稀代の建築家の知られざる物語を描くドキュメンタリーである。
放送内容
昭和16年9月。真珠湾攻撃の3か月前、一軒の小さな別荘が熱海に建てられた。 その名は惜櫟荘(せきれきそう)。ここに、志賀直哉や高村光太郎、幸田露伴、湯川秀樹ら日本の文豪や知識人が集い原稿をしたため、明日の日本を論じた。
もとはといえば、岩波書店の創業者・岩波茂雄の別荘だった。 この家を設計したのは、吉田五十八(よしだいそや)。歌舞伎座や吉田茂邸、文学賞の舞台である築地新喜楽などで知られる近代数寄屋建築の名手である。
あれから70年。
売却の憂き目に会おうとした惜櫟荘を、一人の作家が救った。時代小説で1500万部という人気を誇る、作家・佐伯泰英。名建築が無くなるのは忍びないと、私財を投じ、番人を買って出た。
日本の教養文化を育んだ出版人、岩波茂雄と稀代の建築家、吉田五十八。 二人のぶつかり合いから生まれた惜櫟荘の、解体から復元までの3年間を追いながら この30坪の小さな家に秘められた昭和のドラマを描きます。