映像歳時記 ~七十二候・旧暦が奏でる日本の美
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六十候「橘初めて黄ばむ(たちばな はじめてきばむ)」

二十四節気の暦は小雪!

「橘初めて黄ばむ(たちばな はじめてきばむ)」
この橘とは、古くから日本に自生する柑橘類の一種です。常緑樹であり、一年を通して常に葉が生い茂っている様子から「長寿のしるし」や「縁起物」として親しまれてきました。今回の候では、冬の星座や針供養、りんご、鴨、ぼら等、この季節の話題を楽しくお送りします。

冬は、もっとも星空がきれいな季節だといわれます。その理由は「日没が早く夜空が早い時間に楽しめる事」、「明るい一等星やさまざまな色の星が肉眼でも見える事」などが挙げられます。南を向くと、正面に同じくらいの明るさの星が3つ並んでいます。これが「オリオン座」の目印の三ツ星です。「鼓星」(つづみぼし)という和名が付いています。確かに鼓のような形ですね。

12月8日は、「針供養(はりくよう)」です。 これは裁縫の上達を祈願するとともに、古くなったり、折れた縫い針などを供養する行事です。江戸時代から盛んに行われるようになり、明治には裁縫を生業とするお針子たちが晴れ着を着て、一年間使った針と一緒に五目飯をお供えし、針を休ませるという意味で、豆腐や蒟蒻のような柔らかいものに針を刺すことが習わしだったといいます。関東地方では2月8日に行われるのが多いようです。

寒い季節の果物といえば「りんご」。現在、日本で栽培されている品種は100種前後と言われ、世界的には数千から1万種にもなるそうです。日本の「ふじ」は、国内随一の生産量を誇り、甘みが強く、ほのかな酸味とシャリシャリとした歯ごたえが特徴です。りんごと言えば、「ウサギ」ですよね。普通に剥いてもらうりんごよりも、ウサギのりんごの方が、何故か美味しく感じてしまうのですよね。

冬になると、鴨が全国的に飛来してきます。越冬中のこの時期につがいを形成し、春には連れ立って繁殖地へ渡って行くのです。鴨は水面を泳ぐのは上手ですが、潜れない為水中に首を突っ込んだり、逆立ちしたりして餌を獲る様子が愛らしいですね。 また鴨の雛が、親の後を一生懸命ついていく姿も可愛いですね。

この時期になると、ボラが旬を迎えます。慣用句として耳にする「とどのつまり」も、ボラからきているそうです。一般的に「オボコ」、「スバシリ」、「イナ」と変化し、最終的に「とど」と呼ばれるようになります。そこから、「行きつくところ」と言う意味の「とどのつまり」が誕生したそうです。また、日本の三大珍味として、ウニ、コノワタと並び、カラスミも外す事はできません。中国伝来の墨「唐墨」に、形が似ていた為にこう名付けられたそうです。