映像歳時記 ~七十二候・旧暦が奏でる日本の美
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五十七候「金盞さく(きんせんか さく)」

二十四節気の暦は立冬!

「金盞さく(きんせんか さく)」
ここでいう「きんせんか」とは、「水仙」の事。水さえあれば仙人のように枯れないから、という事で「水仙」なのだそうです。今回の候では、温州みかんに神在祭、北風、れんこん、渡り鳥など、この季節の話題を楽しくお送りします。 

そろそろ皆さんもこたつを出し始めたのではないでしょうか。そしてこの時期、こたつの上に欠かせない、ある果物が旬を迎えます。「温州ミカン」です。冬の果物の代名詞的な温州ミカンですが、もともと種が無いという事で武士の世界では縁起が悪いとされ、ほとんど栽培されなかったそうです。江戸時代後期になると、その味と種なしの利便性から栽培が行われるようになり、一般的になっていきました。

旧暦の10月は、日本中から八百万の神々が島根の出雲大社(いずもおおやしろ)に集まり、1年に1度1週間にわたる会議を行うとされてきました。 そこから10月の事を、出雲地方では全国からの神が在る月として「神在月(かみありつき)」と呼び、逆にそれ以外の地方では、神がいない月として「神無月(かんなづき)」と呼ぶようになったのです。旧暦の10月10日にあたる11月23日からの1週間は、島根県出雲市にある各神社で「神在祭(かみありさい)」が行われます。

家の中にいても、外の風がピューピューとすごい音を立てています。いよいよ「北風」の到来ですね。 アジア大陸からやってくる季節風の事で、日本海側では多くの雪を降らせます。山を越えた太平洋側では、冷たく乾燥した「空っ風」が猛威をふるいます。 「空っ風」と言えば、「赤城おろし」が有名ですね。 「赤城」というのは、群馬県の中央に位置する「赤城山」の事。赤城山方面から吹き降ろすようにして風が吹くことから、この名が付きました。この赤城おろしによって、群馬県太田市などでは、畑の砂が巻きあげられて、空が黄色く色づくのだそうです。

11月17日は「レンコンの日」なのだそうです。 これは1994年に、レンコンの一大産地である茨城県土浦市で、全国のレンコン農家の代表が集まり「蓮根サミット」を開催したからなのだそうです。 ちょうどこの時期に旬を迎える、レンコン。中にいくつも空いた穴が特徴です。穴がいつまでも続いているこの状態が、「見通しがよい」という事で、レンコンは縁起物として、おめでたい席にもよく登場しますね。

冬にしか見られない風景はいろいろありますが、渡り鳥もその一つですね。冬にしか見ることの出来ない鳥ですから、「冬の使者」とも呼ばれています。越冬のために日本より北の国から渡ってきて、冬を日本で過ごし、冬が終わると繁殖のために北の国へと帰って行く鳥。種類としては、ユリカモメ、ツグミ、白鳥などがいます。