映像歳時記 ~七十二候・旧暦が奏でる日本の美
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四十三候「草露白し」(くさつゆ しろし)

二十四節気の暦は白露!

「草露白し(くさつゆ しろし)」 朝方の冷たい空気によって、草の葉に露が出来、白く見える事を表しています。この時期の朝や夕方は冷え込む事が多く、秋がやってきたんだなと実感できます。今回の候は、露草、からす、鰯、重陽の節句、岸和田だんじり祭りなど、この季節の話題を楽しくお送りします。

露草は日本全国に幅広く生息し、素朴で可愛らしい、青く小さな花を咲かせます。朝顔等と同じように、早朝に花を咲かせ、その花は午後にはしぼんでしまうという特徴があります。そこから、朝に出来て午後には消えてしまう「朝露」のようだと捉えられ、「露草」となったそうです。その他にも、その特徴的な花の形から、「蛍草(ほたるぐさ)」や「帽子花(ぼうしばな)」。花の鮮やかな青色から「青花(あおばな)」といった別名もあります。

こちらは「烏(からす)」です。いまでは「カァ カァ」という鳴き声が一般的ですが、かつては「から から」と聞こえていたそうです。その「から」の鳥を表す接尾語である「す」がついて「からす」となったと言われています。また、「烏」と言う漢字は、鳥という字によく似ています。そもそも鳥の上の部分は、目を表現したものと言われています。しかし、からすは全身真っ黒なので、どこに目があるのかわからないという事から、鳥から一本線を取り、この字になったそうです。

鰯は漁で獲れた際に、他の魚よりも早く死んでしまう事から、「弱し(よわし)」が転じて「鰯(いわし)」となったとされています。漢字の魚偏に弱いと書くのも、この特徴からなのですね。鰯を使った料理も数多くありますが、鰯フライはいかがでしょうか。パン粉を付けて、油で揚げるだけ。ソースをお好みでかけて、ガブリ!からりと揚がった鰯は、骨まで食べられるほど柔らかで美味しいですよね。

9月9日は、五節句の一つ「重陽の節句」です。この日は、菊を観賞し長寿をお祈りする日として、別名「菊の節句」とも呼ばれ、日本では、奈良時代から宮中や寺院で菊を観賞する宴等が行われてきました。中国の陰陽思想では、奇数は明るい光に満ちた陽の数です。そして、陽の数の中で一番大きな数字となる九が重なるこの日は「重陽」と呼ばれ、大変めでたい日とされています。

大阪府岸和田市では、毎年9月中旬、「岸和田だんじり祭り」が行われます。「だんじり」と呼ばれる、ケヤキで作られた巨大な山車に100mほどの2本の綱がつけられ、地元の町を疾走します。この祭りの山車は、曲がり角に差し掛かっても一切スピードは緩めず、そのまま直角に向きを変えてしまいます。これが、岸和田だんじり名物「やりまわし」。祭りの間、だんじりは定められた道を何周も駆け巡り、曲がり角に突入するたびに、この「やりまわし」を行います。