映像歳時記 ~七十二候・旧暦が奏でる日本の美
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三十三候「鷹乃ちわざをならう」(たかすなわち わざをならう)
三十四候「桐始めて花を結ぶ」(きりはじめて はなをむすぶ)

二十四節気の暦は小暑から大暑!

「鷹乃ちわざをならう(たかすなわち わざをならう)」
鷹の雛が、獲物を捕る事を覚える時期を表しています。
「桐始めて花を結ぶ(きりはじめて はなをむすぶ)」
桐の花が卵形の実を結ぶ頃を表しています。今回の候は、鷹、蝉、鰻、桐、花火大会など、この季節の話題を楽しくお送りします。

鷹を巧みに扱い、狩りを行う「鷹狩り」は、紀元前およそ一千年前から、中国やインドで行われていたそうです。また、鷹を操る「鷹匠」は、古事記にも登場するほどの長い歴史を持っています。また、鷹は知能指数が高い事でも知られています。ことわざ「鳶が鷹を生む」も、平凡な親から、すぐれた子供が生まれる事のたとえとして使われています。

蝉は、鳴き声や鳴く時間帯によって種類が異なる為、種類を判別する際には、鳴いている時間帯で区別すると分かりやすいそうです。「閑さや 岩に染み入る 蝉の声」こちらは、松尾芭蕉による有名な一句です。ひっそりとして、閑かな山寺。ここには、山の岩にしみ入るように、蝉の声だけが聴こえている…と、厳かな雰囲気を句にしたためています。

一年には、土用と呼ばれる期間が4回あり、中でも夏の土用から最初の丑の日は、「土用の丑の日」と呼ばれています。暑さが厳しく、夏バテを起こしやすい時期である事から、「土用蜆(しじみ)」や「土用餅」、「土用卵」等、古くから「精の付くもの」を食べる習慣があったといいます。そして現代。土用の丑の日に食べるものといえば、この「鰻」です。実は、この日に鰻を食べる習慣を作ったのは、幕末の学者・平賀源内だそうです。本来、鰻の旬は冬である為、夏場はあまり売れなかったといいます。そこで、源内が、「本日、土用丑の日」と書いた張り紙を張り出しておけ」と鰻屋に助言し、鰻を売り出した所、大繁盛した、というものです。

この時期なると、淡い紫色の花をつける桐。福島県の会津桐、岩手県の南部桐等が有名です。桐という名前は、桐の切ってもすぐに芽を出し成長するという特性に由来し、「切る」から「キリ」となったと言われています。桐は、湿気を通さず、割れや歪みが少ないという、材木として申し分ない特徴を持ち、高級木材として古くから重宝されてきました。特に、桐箪笥は、高級家具の代名詞ですね。かつては、娘の誕生に合わせて桐を植え、嫁入りの際には、その桐で箪笥を作り、嫁入り道具としたといいます。

この時期、各地で花火大会が行われています。その中の一つが、「ふくろい遠州の花火」大会です。最大の特徴は、全国から選抜された超一流の花火師たちによる匠の技を披露する大会であることです。音質による音楽との絶妙な調和による打ち上げ花火は、音と色と光を全身で受け止め観客を魅了します。このように、「ふくろい遠州の花火」大会は、美術館での芸術鑑賞や舞台芸術の鑑賞と同じように、「花火芸術の鑑賞」を強く意識している大会です。