映像歳時記 ~七十二候・旧暦が奏でる日本の美
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二十七候「梅のみ黄ばむ」(うめのみ きばむ)

二十四節気の暦は芒種!

「梅のみ黄ばむ(うめのみ きばむ)」
梅の実が熟し、黄色く色づく頃を表した候です。梅干を漬けるための梅は、このような黄色い梅の実を漬けるのが一番です。今回の候は、夏至、アリ、ユリ、カッコウ、三枝祭など、この季節の話題を楽しくお送りします。

一年で昼の時間が一番長くなる日「夏至」がやってきます。夏至を過ぎると、本格的な夏が始まるとされ「夏が至る」と書くのも、そういった意味が込められているのだそうです。三重県伊勢市・二見興玉神社にある「夫婦岩」では、夏至の前後およそ2週間、夫婦岩の間から望む富士山から朝日が昇るという、大変貴重で縁起の良い光景を見る事が出来ます。

アリは、集団で食料を集める働き者の虫。アリという名前の語源には諸説あるようですが、群れを作り多くのアリが集まっていることから「集まり」が転じたという説が知られています。また漢字では「蟻」ですが、虫偏に義と書くのは、アリが社会的な群れを作り、規則正しい共同生活を送ることから、礼儀正しいという意味の「義」が付けられたといいます。

夏になると、ピンクや赤、白といった色とりどりの花を咲かせるのが「百合(ユリ)」です。その花の美しさから、美人を象徴する花としても知られています。山などの森林や草原に自生する事が多く、これからの時期よく見かけられます。風に吹かれ、ゆらゆらと揺られる花の様子から「揺り」が転じて「百合」となったとも言われています。

カッコウは、夏に飛来してくる夏鳥の仲間です。頭から背中、そして、翼の上側の部分が灰色で、お腹の部分は白色をしており、細かい横縞があるのが特徴です。お店に客が無く寂れた様子の事を、ことわざで「閑古鳥が鳴く」といいますね。この閑古鳥とは、「カッコー」という鳴き声に「もの静かで、落ち着いた様」を意味する「閑静」にも使われる、この「閑」と、侘しさのある「古」を当てたとされています。

奈良県奈良市にある、大神神社摂社の率川神社では、毎年6月17日に「三枝祭(さいくさのまつり)」が行われます。日本最古の祭りの一つといわれ、その歴史はなんと7世紀までさかのぼります。この祭は、別名「ユリまつり」とも呼ばれ、日本特産のユリであるササユリを手に掲げた巫女が、ゆったりとした体運びで優雅な舞いを披露します。「三枝 (さいくさ)」とは、「ユリの花」の事で、ユリの古い呼び名が「佐韋(さい)」である事から、三枝祭という名前がついたとされています。