映像歳時記 ~七十二候・旧暦が奏でる日本の美
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二十候「みみず出ずる」(みみず いずる)

二十四節気の暦は立夏!

「みみず出ずる(みみず いずる)」
この候は、みみずが地中からはい出てきて、至る所で目にするようになる頃を表しています。土もだんだんと温かくなり、みみずも活発に動き出すのですね。 今回の候は、コマドリ、若葉、ヒナゲシ、アジ、三社祭など、この季節の話題を楽しくお送りします。

コマドリは、夏になると繁殖のために日本に飛来する夏鳥(なつどり)です。雀の仲間で、くちばしの色は黒く、全体的に薄いオレンジ色をした体が特徴です。そんなコマドリの魅力は、ウグイスやオオルリと共に、「日本三鳴鳥(にほんさんめいちょう)」の一つにも数えられる、その鳴き声にあります。「ヒンカラカラ」と、まるで馬の鳴き声のように聞こえる事から、漢字では「駒鳥」になったそうです。

初夏の青々と瑞々しい草木の葉を「若葉」と呼びます。今の時期、公園等では、「楠(くすのき)」の若葉が見られるようになります。楠は、4月下旬から5月上旬にかけて、大量に葉を落とします。これは、「楠落葉(くすおちば)」と呼ばれ、そのあとに顔を出すのが、この「楠若葉(くすわかば)」です。「楠若葉」は、青々として厚みがあり、たくさんの葉を付けることから、最近では街路樹として植えられ、騒音を軽減する効果もあるそうです。

ヒナゲシは夏の訪れと共に、赤・白・ピンクなどといった色鮮やかな花を咲かせてくれます。花は、一枚一枚が非常に薄く、まるで薄い紙で作った造花のような印象をしています。そんな姿からでしょうか、ヒナゲシの花言葉には「乙女らしさ」といったものがあります。また、「虞美人草(ぐびじんそう)」という別名もありますね。

この時期の魚と言えばアジですね。「ゼイゴ」と呼ばれる硬いトゲのようなウロコが、頭から尾までずらりと並んでいるのが特徴です。日本人にとって馴染み深い魚の一つですよね。名前の由来も、味が良い為に「あじ」と名付けられたとも言われ、「鯵」という漢字は、その味の良さから「参ってしまう」からとする説もあるようです。

東京に初夏を告げるのが、浅草神社の三社祭です。毎年、5月第三週の金・土・日に行われます。下町情緒あふれる浅草の町並みを、浅草神社の神輿3基と、数多くの町内神輿が練り歩く盛大なお祭りです。この祭りの期間中には、毎年150万人もの人々が見物に訪れるそうですよ。中でも特に目を引くのが、田植行事を芸能化した田楽の一種「びんざさら舞」です。初夏の風物詩「三社祭」に、是非足を運んでみてはいかがでしょうか。