小澤征爾さんと音楽で語った日~チェリスト・宮田大・25歳~

小澤征爾さんと音楽で語った日~チェリスト・宮田大・25歳~

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放送内容

世界的指揮者である小澤征爾が、ここ数年、期待をこめて大切に見守っている若いチェリストがいる。
25歳の宮田大だ。
これまでエントリーしてきたコンクールの数々で第1位を総なめにし、華々しい受賞歴を持つ宮田。現在、クラシック音楽界で最も注目される若手弦楽奏者のひとりである。

2011年1月、宮田の本格デビューを期し、小澤は自らがタクトを振る公演のソリストとして彼を起用した。予定していた曲は、フランツ・ヨーゼフ・ハイドン「チェロ協奏曲」。
ところが、直前になって小澤は体調を崩し、公演は急きょキャンセルに。病床のマエストロはすぐ、宮田に電話をした。
「来年は必ずやるから、待っていてください」―。
巨匠と青年の間で、“約束”が交わされた。

2009年、チェロ部門の国際音楽コンクールの最高峰であるロストロポービチ国際チェロコンクールにおいて、日本人として初めて優勝という快挙を成し遂げた宮田は、以降、活躍の舞台は世界に広がり、2011年には自身初のCDも完成した。
小澤の本格的な復帰がままならぬ一方で、宮田は名実ともに世界から注目される若手チェリストへ急成長。小澤が闘病していた間は、宮田にとって大いなる飛躍の時となった。

そして、その月日の積み重ねの先にいつもあったのは、小澤と交わした“約束”だった。
そんな2人の“約束”のステージが、1年後の2012年1月、ついに実現した。ようやくかなった念願の共演。
マエストロからクラシック界期待のホープへ、いったいどんな音楽のバトンが渡されたのか。

若きチェリストの青春の軌跡をたどり、小澤との共演に向かって研さんを積む姿を描き出すとともに、小澤が全身全霊で“音楽のいのち”を伝えたこの公演の模様を送る。