ボクらの地球
放送内容
奇跡の深海を潜る あなたの知らない東京湾
探検!"東京海底谷"の神秘
今回訪れるのは、多くのタンカーや貨物船が行き交う海の玄関、東京湾。その海面下に崖のように落ち込んだ峡谷、「東京海底谷(とうきょうかいていこく)」と呼ばれる秘境が横たわっていることはあまり知られていない。深さ1000m、長さ40kmに及ぶ峡谷で、グランドキャニオンのような不気味な暗黒の世界は「TOKYO CANYON(東京キャニオン)」とも呼ばれ、そこには極めて独特な生態系が築かれているらしい。
番組では、JAMSTEC(独立行政法人海洋研究開発機構)と東京大学大学院理学系研究科附属臨海実験所(通称:三崎臨海実験所)との大規模共同調査を敢行! 最新鋭水中ロボットによる東京海底谷に住む"謎の深海生物"の撮影に挑む。
さらに、40年ほど前までは、汚染により「死の海」と呼ばれていた東京湾の内湾。その海が、今、劇的な変貌を遂げている。魚たちの感動的な命の営みを、世界の海を知り尽くす水中写真家・中村征夫さんが撮影し、知られざる東京湾の不思議を解き明かす。
未知の世界"東京海底谷"を撮影するプロジェクトが実現―JAMSTECと東大との共同調査
水深200m以上の深海と呼ばれる区域は、日の光が届かない暗黒の世界。どんな生き物がいるのか、全ては謎に包まれていた。深海の撮影は水圧に強い特殊なカメラを使わなければならないうえ、未開拓の世界。海底谷のどこにどのような生き物が生息しているか、予測すらできない。
今回、深海調査のエキスパート集団・JAMSTEC(独立行政法人海洋研究開発機構)と、東京湾の調査に精通する東京大学大学院理学系研究科附属臨海実験所(通称:三崎臨海実験所)の協力を得て、総勢10名のエキスパートによるのべ9日間にわたる大規模な調査を敢行! それが「ボクらの地球・東京海底谷撮影プロジェクト」だ。
調査で使用するのは…
最新鋭 水中ロボット"ピカソ"
JAMSTECが深海の撮影を最大の目的として開発した深海生物追跡調査ロボットシステム"ピカソ"。水中ロボットとしては世界最高レベルのハイビジョンカメラを搭載。さらに、多様な照明装置を備えている。
今回、番組の調査の全面指揮を行うのが、ピカソの開発者であるJAMSTECのドゥーグル・リンズィー博士。水深100m、200m…いざ深海へ! 東京海底谷の撮影に挑むピカソを襲うアクシデントの数々! そして、ピカソ初となる水深800mの海底へ。そこで見た深海生物、驚きの生態とは!?
東京海底谷は"生命のゆりかご"なのか?
"謎"を解く鍵は、東京湾の内湾に
40年前には「死の海」と呼ばれた東京湾の内湾だが、現在は環境運動が少しずつ功を奏し、「美しい生き物の世界」が広がっている。
世界的にも有名な水中写真家・中村征夫氏は、ライフワークとして東京湾が"へどろ"の時代から撮影し続けてきた。人間たちに警鐘を鳴らす生き物たち―。そんな中村氏が撮影した過去の東京湾の貴重な映像も紹介。そして、今、騒がしい都会の中で命を育む水中生物たちの、感動的な真実をお届けする。
ナレーション:貫地谷しほり