ボクらの地球
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ボルネオ 生き物たちの楽園 大河の源流を求め600キロ
一年を通して雨が多く、熱帯雨林気候の地、ボルネオ島。多種多様な生き物が暮らし、独自の生態系を保っている。世界で3番目に大きな島であるボルネオ島の北部を占めるマレーシア領サバ州には、200種類を超えるほ乳類が生息。中でもサルは13種にも及び、いわば“サルの楽園”だ。
野生動物を育むのは、ボルネオ島の北東部を流れるおよそ600kmのキナバタンガン川。この川が豊かな森を作り、その森が動物たちを守っている。
今回紹介するのは、ボルネオを流れる大河・キナバタンガン川の源流への旅。
3年前からボルネオで野生生物の生態を研究している、京都大学の博士課程・松川あおいさんが“最初の一滴”を目指す。森はどのようにして育まれ、どんな生き物がいるのか。謎多きボルネオの森で、数々の発見と出会いが待ち受ける。
【森を支えるマングローブとニッパヤシ】
長い旅に出発して、まず目に入るのはマングローブの森。
ここはムツゴロウやカニなどの稚魚が育つゆりかごになっている。川をさかのぼっていくと、がらりと風景が変わる。
現れたのはニッパヤシと呼ばれる植物の森だ。
ほ乳類が住めないといわれるこの森で、サルたちが縦横無尽に走り回っていたのだ。サルたちが食べているのは、固いニッパヤシの実。実を口にしてみて、あまりの固さに言葉を失う。
ボルネオの森は豊かである一方、過酷な生存競争を勝ち抜かなければいけないようだ。
【洞窟】
険しい道をかき分けて進むと、洞窟に到着。
実は、この中に宝物が眠っているという。一歩踏み外すと命の危険すらあるこの場所は、たくさんのコウモリの住処。よく見てみるとコウモリに混ざって飛び回るツバメを発見。そう、宝物とは高級食材である「ツバメの巣」!
【川の民「オランスンガイ」の生活】
上流に進んでいくと、川と共に生きる「オランスンガイ(川の人)」と出会う。「川は台所であり、風呂であり、トイレでもある。そして森の中にすべてがある。薬も毒も食べ物も…」と語る彼らの暮らしぶりを知るため、共に生活してみることに。
川で洗濯、水浴びをし、森や川で獲れた植物と魚を使った料理。オランスンガイは、川と森の恵みで生きていた。
【森の民「オラウータン」】
“川の人”オランスンガイたちの家の近くで、オランウータンを発見。オランウータンは“森の人”という意味。
今、彼らの住む場所はどんどん減っているという、その理由を目の当たりにする。
いよいよ、源流のある地が近づいてきた。向かった先は「マリアウベイスン」と呼ばれる森。最後の秘境「ロストワールド」とも呼ばれており、まだ全体の調査がされていないほどの密林だ。この中に、キナバタンガン川の源流の1つがあるという。
険しい道を松川さんは黙々と行く。
森が深まると、透明だった川の水が透明な赤に変化。川だけでなく滝も真っ赤!
この神秘的な場所には、美しいランの数々が咲き乱れていた。ボルネオはランの楽園でもあるのだ。そして、松川さんの求める源流との出会い。彼女が見つけた最初の一滴の姿とは。