2009年6月、4年に一度開かれる「ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール」で、全盲のピアニスト辻井伸行さんが、日本人として初めて優勝するという快挙を成し遂げた。そして、そのニュースに日本中が沸いた。
辻井さんは17歳の時、史上最年少で「ショパンコンクール」に出場し、批評家賞を受賞しているが、今回の優勝は海外でのプロデビューを意味している。今後3年間、彼には、世界中でおよそ300のコンサートが待っている。9月22日、コンクールの会場となった米テキサス州フォートワースで凱旋コンサートを行い、再び聴衆に感動の音色を披露した。
BS朝日では、2005年12月、辻井さんがポーランドのショパンコンクールに挑戦したドキュメンタリーを放送した(12月31日再放送予定)。今回、その第2弾として、21歳の現在、世界の舞台で活躍するまでになった辻井さんの姿を描く。
ショパンコンクール以降、プロデビュー、母親からの自立、ヴァン・クライバーンへの挑戦と優勝、ヨーロッパ遠征、そして、今度のアメリカ凱旋コンサートなど、初公開の最新映像を交えながら、伝説のピアニスト・ヴァン・クライバーン氏が「奇跡のピアニスト」と呼んだ辻井伸行さんのピアノ・パフォーマンスを、心ゆくまで堪能していただく。
≪主な演奏曲目≫
ベートーヴェン ピアノ・ソナタ第14番「月光」作品27 第一楽章~
ショパン「4つのマズルカ」作品24 ショパン バラード第1番 作品23
ベートーヴェン ピアノ・ソナタ 第23番「熱情」作品57 第1楽章~
ヴァン・クライバーン氏に「奇跡のピアニスト」と言わしめた辻井伸行に、公私を問わず密着。そしてショパンコンクール出場以降、ピアニストとして一気に世界のトップへと駆け上がった辻井伸行のピアノ演奏も、たっぷりとお届けする。
最難関とされるの「マストの現代曲」を暗譜でマスターして、審査員たちを驚愕させ、感動の涙を流させた…。「ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール」で見事優勝を勝ち獲った原動力とは、一体何だったのか? 全盲の天才ピアニスト・辻井伸行の秘密が明らかになる!
10歳の時からのピアノの恩師・川上昌裕氏。様々なステージを企画して辻井伸行を出演させた音楽家・三枝成彰氏。世界に飛翔するきっかけを作った指揮者・佐渡裕氏。“奇跡のピアニスト・辻井伸行”誕生の陰には、数々の運命的な出会いがあった。
辻井伸行の念願だった全米デビューの演奏旅行に密着。合間をぬってカントリー&ウエスタンやインディアン居留区で民族音楽に出合い、さらにジャズ発祥の地、ニューオリンズではアメリカ音楽に触れる。特に本場ニューオリンズのジャズメンとのセッションは見もの。もちろん、凱旋コンサートにおける圧倒的な存在感に満ちた演奏も、たっぷりと堪能していただく。