新・にほん風景遺産~故郷を見つめなおそう~

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春爛漫!桜満開スペシャル
~静岡県伊豆 千葉県香取 沖縄県石垣島~

新・にほん風景遺産は4月から水曜日よる10時放送に変わります。第1回目の放送は4月5日「春爛漫!桜満開スペシャル」。
日本に新春を告げる沖縄県石垣島の「ヒカンザクラ(緋寒桜)」。静岡県伊豆から一足早い春の知らせ「カワヅザクラ(河津桜)」。千葉県佐原・香取から「ソメイヨシノ(染井吉野)」。日本各地から春の便りをお届けします。

静岡県伊豆半島の納豆部に位置する河津町。相模灘の美しい砂浜や温泉郷、風光明媚な自然が旅人たちを魅了し、川端康成の「伊豆の踊子」の舞台にもなりました。
河津町の春はなんといっても「カワヅザクラ」。2月上旬から約1か月に渡り咲き続ける早咲きの桜。花びらが大きく鮮やかな桃色が特徴で、カンヒザクラとオオシマザクラの自然交配といわれています。
カワヅザクラは名前の通り、この町で発見されたと伝わります。約60年前に河津川沿いで見つかった1本の桜の苗木が、今では約8000本が町の至る所で咲き乱れます。なかでも河津川沿いの両岸、約800本、4kmほどに渡る桜堤は多くの花見客で賑わいます。

伊豆の春は半島の南に位置する下田にも。年間水揚げ日本一を誇る金目鯛は春先に脂が乗り旨いといわれます。豊かな漁場に囲まれ、年間通して様々な魚が水揚げされますが、なんとその8割ほどが金目鯛。
下田は江戸時代、江戸に向かう船の寄港地として賑わい、毎年3000もの船が行き来していた港町。そして日本初の開港の地としても知られます。
日米和親条約の交渉の場になり、ペリー一向も滞在した下田の開国物語に触れ、伝統的な街の文化である「下田芸者」にも出会います。

一方、千葉県北部に位置する香取市佐原。江戸時代、「坂東太郎」と呼ばれた利根川水運の中継地として、「江戸まさり」といわれるほど繁栄した水郷の街。米やしょうゆ、酒など房総の物資が江戸へと次々に運ばれた佐原は、その面影を今も残し江戸情緒が薫ります。
佐原駅からほど近い両総用水は桜満開。疎水百選に選ばれる用水路の両岸を埋め尽くす桜並木は、昭和26年に旧佐原市が誕生した際に植樹されて以来、住民の憩いの場になってきました。

市内にある香取神宮ではソメイヨシノ、オオシマザクラ、ヤマザクラを中心に15種類約700本の桜が花見客を楽しませます。
創建は2600年前といわれる香取神宮は、全国に約400社ある香取神社の総本社。例年4月第一土曜と日曜に行われる「御田植祭」は、日本三大御田植祭の1つ。御田植祭の演目に出演する少女に出会い、祭り本番までを見守ります。

さらに南は沖縄県石垣島。
東京から約2,000km、沖縄本島から約400km、日本最南西端の島々・八重山諸島の中心・石垣島は沖縄本島、西表島に次いで県内3番目に大きな島で、亜熱帯の豊かな自然と都市機能が共存するサンゴ礁に囲まれた美しい島。 石垣島の市街地から東に約10キロに位置する白保集落は、東に海、西には農地が広がる半農半漁の里。集落を散策し日本一早い春の田植えに出会います。
沖縄の桜シーズンは早春の2月。ヒカンザクラはしっかりと色づく濃い桃色、うつむきがちに咲く小さな花は、ソメイヨシノとは違った趣があります。

桜満開の春を旅するのは、俳優・石丸謙二郎、中本賢、作家・島田雅彦。日本各地から春の便りをお届けします。