新・にほん風景遺産~故郷を見つめなおそう~

新・にほん風景遺産~故郷を見つめなおそう~

  • トップページ
  • バックナンバー

瀬戸内海 歴史と芸術の海の道 島々をゆく
~日本を動かした塩飽水軍と現代アート~

瀬戸内国際芸術祭で盛り上がりを見せる瀬戸内の島々。古くから海上交通の要衝として栄え、中世以降は塩飽(しわく)水軍という海賊が活躍した地です。

瀬戸内の島々を中心に現代アートを様々な形で展示する「瀬戸内国際芸術祭」は、2010年に開催されてから今年で3回目。来場者数100万人を超えるビックイベントです。
男木島(おぎじま)は高松港からフェリーで40分。島人の思い出をボトルに封入した「記憶のボトル」や、細い坂道が多い島での運搬に欠かせない押し車を使った「オンバファクトリー」など、様々な現代アートが展示されています。芸術祭開催をきっかけに若い世代の移住者が増加し、休校していた島の学校が再開されるなどの効果も出ています。

本島(ほんじま)は丸亀港からフェリーで35分。大小28の島々から成る塩飽諸島の中心で戦国時代は塩飽水軍の本拠地として栄えました。塩飽勤番所には信長をはじめ、秀吉、家康ら天下人が発給した朱印状が飾られています。瀬戸内の速くて複雑な潮流は、高度な操船技術を必要とし、塩飽水軍は天下人に愛されました。水軍の技は幕末にも生かされます。ペリー率いる黒船来航。幕府は日米修好通商条約締結の為、米国へと向かいます。勝海舟らと咸臨丸で随行したのが、塩飽の人たちでした。

旅人は俳優・石丸謙二郎。かつて活躍した塩飽水軍に思いを馳せ、現代アートにも触れる、瀬戸内の島々を巡る2泊3日の旅です。