新・にほん風景遺産~故郷を見つめなおそう~

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早春の愛媛・宇和島 西の伊達十万石の城下町
~絶景 日本のマチュピチュと魚湧く海~

宇和島市は愛媛県の南部に位置し、江戸時代から四国の西南地域の中心として発展してきました。日本屈指のリアス式海岸地帯で、真珠をはじめ、真鯛やハマチの養殖が盛んに行われているばかりか、日本有数のみかんの生産地としても知られています。
宇和島市は松山市から電車で約1時間半。西側が宇和海に面するほかは、三方を山に囲まれた独特な地形。その最深部には宇和島城が鎮座します。この地(宇和島藩)を治めたのは、仙台の伊達政宗の長男・伊達秀宗。以後、廃藩置県まで256年の長きに渡り、「西の伊達」として伊達家がこの宇和島を治めてきました。
今尚、伊達家の影響を色濃く残す宇和島。新鮮な魚をすり身にして揚げる、宇和島名物の「じゃこ天」や「蒲鉾」は伊達家によって伝えられたものといわれています。
独特な地形は養殖に適した深い海を作り上げました。宇和海に浮かぶ養殖いかだを訪れると、いかだの中には、日本一の養殖量を誇る真鯛。理由は旨みとこく、そして、町の人の楽しみといえば、年に5回開催される闘牛大会。1トンを超える巨大な牛が角と角をぶつけあう戦いは迫力満点です。その陰には牛たちを支える人たちの深い愛情がありました。
リアス式海岸に代表される急峻な地形。先人たちはそこに段々畑を作り、半農半漁の生活を続けてきました。天と地と海の狭間に生きる人々の生活とは?春を探して「伊達十万石の城下町」宇和島を旅します。