1月16日(金)・1月18日(日)再放送

環境モデル都市~低炭素社会に向けて~

今回のリンク

人類の将来に深刻な影響を与えるといわれる地球温暖化。温室効果ガス削減を図るため、現在さまざまな対策が立てられて実行され始めています。そのひとつが「環境モデル都市」の取り組みです。昨年全国の市町村の中から低炭素社会実現への先進的な取り組みにチャレンジする6つの都市が選定されました。
スタジオには、東京大学名誉教授の月尾嘉男さんをお迎えし、「環境モデル都市」の取り組みとその意義について考えて行きます。
昨年選定された「環境モデル都市」は大都市として、北九州市と横浜市。地方中心都市として、富山市と帯広市。小規模市町村として北海道の下川町と水俣市の6つです。それぞれ地域性を生かした、先駆的な都市が選ばれました。
昨年12月「環境モデル都市国際セミナー」が北九州市で開かれました。北九州市で低炭素対策に取り組んでいる地域は、八幡東田地区そして、響灘地区です。八幡東田地区は、かつて日本初の近代製鉄所が開かれた場所。太陽光発電や壁面緑化等で30%のCO2削減を実現する住居棟や天然ガスによるコジェネ発電等先駆的な取り組みが、製鉄所跡地120ヘクタールで順調に進められています。
横浜港の瑞穂埠頭に設置された風力発電「ハマウイング」は、低炭素社会への意識が高い市民と企業の協賛でまかなわれています。横浜市では、温室効果ガスの一人当たりの排出量を「2025年までに30%以上削減しよう」という目標を掲げました。横浜市では屋上緑化や太陽光パネルの設置などを推進しています。
富山市は、自動車依存度の高い地域。LRTと呼ばれる路面電車を導入して、市内への自動車の流入を減らし、居住地域を駅周辺へ近づけたコンパクトシティ化を目指しています。また帯広市は、農業と畜産業の連携を促し、それぞれで排出される堆肥や廃棄作物を有効に利用して、農薬使用量を削減したり、バイオマス燃料等で活用しています。
北海道北部の下川町は人口3900人。90%が森林のこの町では、永久に続く循環型の森林ビジネスを展開しています。水俣市は「水俣病」という過去を教訓に地域ぐるみの多様な活動を推進しています。市民の協力を得て22種類のごみの分別に成功。さらなるゴミの減量分別に取り組み、南九州のリサイクルの拠点となるエコタウンを展開してます。