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19世紀、パリ。一枚の絵画が、大スキャンダルを巻き起こします。
タイトルは「草上の昼食」。のどかなピクニックのワンシーンを描いた作品ですが、問題は登場人物達の格好にありました。絵の中央には、流行の服をまとった男性二人と並んで、全裸の裸婦が座っていたのです。
「猥雑」「不謹慎」と声を荒げる観衆たち。しかしセンセーショナルなこの絵は、ルネサンス以降の絵画の流れを変える、革命的な手法で描かれていたのです。
作品の作者はエドゥアール・マネ。パリの裕福な家庭に生まれ、街の中心で育った生粋のパリジャンでした。彼は、自分が生きる時代のパリの姿を描くことにこだわり続けました。そして競馬場やオペラ座といった表の顔だけでなく、パリの裏の顔である娼婦や、儚く消えてゆくキャバレーの夜の光景などをキャンバスに描いて行ったのです。
彼の作品は、しばしば大きな批判にさらされます。しかし、断固として描きたい絵を追求するマネの姿は、後続の画家達の共感を呼び、マネの周囲には若手が集まり始めます。自らを慕う若者たちを、マネは物心ともに援助し、やがて「印象派の父」と呼ばれることになります。
そんな中で知り合った美貌の女性画家、ベルト・モリゾを、彼は繰り返し描いていきます。二人は互いにひかれあいますが、マネは既婚者であり、さらに年若い女弟子をとってモリゾの神経を逆なでします。失意のモリゾは結婚に踏み切りますが、彼女が選んだ相手は意外な人物でした。
反逆児の魂を持つ、ダンディなパリジャン、マネ。キャバレーの老舗フォリー・ベルジェール劇場やロンシャン競馬場など、マネが愛したパリの映像を交えながら、その生涯と、代表作を追います。彼の作品が持つ革新性も、じっくりと解説いたします。


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