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中世ヨーロッパの交易の中心地として栄えたベルギーの首都ブリュッセル。ここに16世紀最高の画家と呼ばれる男がいました。ビーテル・ブリューゲル(父)。代表作はかの有名な「バベルの塔」。古来、幾多の画家達が挑んできた伝説の題材を彼は圧倒的な迫力と細部にまでこだわる緻密な描写でまるで実在するかのように迫力いっぱいに描き上げています。さらに人々の暮らしを氷と雪の中に表現した「雪中の狩人」。広大な冬のパノラマと氷の上で戯れる80人以上もの様々な人々の動きが、繊細な筆遣いで表された風景画の名作です。さらには百科事典的な「ネーデルラントの諺」や「子供の遊戯」。これらは1枚のカンバスに100人以上もの人々が細密に描きこまれています。そしてペストやスペインからの弾圧など時代背景を色濃く感じさせる幻想的な作品など多彩な作風をもつブリューゲル(父)。
しかしこれだけにとどまりません。北方絵画の偉大なる巨匠と呼ばれた人物は農民画家という顔も持っていました。ユーモアを愛し農村の人々を愛した彼は 変装し農村に出かけては農民の生活を観察。農民の結婚式や踊りなどを温かい眼差しで見つめ描いています。しかもブリューゲル(父)の真骨頂は作品のひとつひとつに様々なメッセージを隠しているということ。一見親しみやすい絵、しかし一歩彼の世界に踏み込んでしまうとたくさんの謎にぶつかり目が離せなくなってしまうのがブリューゲル(父)の絵の面白さなのです。
彼の絵に対する情熱と緻密な作風は、やがて子供たちに受け継がれ、その後 100年に渡り5世代10人もの画家を生みだし後世の画家達にも多大な影響を与えます。しかし画家一族の祖であるブリューゲル(父)の生い立ちは謎に包まれほとんどわかっていません。出生も作品もミステリアスな16世紀の巨匠ブリューゲル(父)。絵画に秘めた彼の伝言とは!?
ブリューゲル(父)が残した「謎」と「メッセージ」を読み解きます。


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