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 印象派の巨匠モネとルノワール。彼らは親友同士でした。19世紀後半のパリ、二十歳そこそこだった彼らは同じ画塾で出会い、意気投合したのです。さらにバジール、シスレーも加わり、アトリエ仲間による4人グループが形作られます。この4人組みが核となって、さらに数多くの画家達を巻き込みながら、西洋美術の大きな変革、印象派のムーブメントが生まれていくことになります。

 1866年のある日、パリの南にあるフォンテーヌブローの森に絵を制作する4人の姿がありました。屋外での絵画制作は19世紀初頭から始まっていたものの、当初のスタイルはスケッチまでを屋外で行い、彩色と仕上はアトリエで行うというもの。一方彼らは絵の具を持ち出し、屋外で彩色まですることを試みました。今でこそ、当たり前のように思えますが、当時それは破天荒な制作スタイルでした。

 記憶を頼りに色を塗るのではなく、今まさに目にしている色をカンヴァスに置こうとした時、彼らはそれまでの方法では自然に溢れる多彩な色や明るさを再現できないことに気が付きます。光と色をどう表現するか。イーゼルを並べて同じ画題に取り組みながら、4人は共通する課題に向かっていきます。

 パリに戻った彼らは、カフェなどで同士の輪を広げて行きます。さらに型破りな作品で画壇に風穴を開けようとしていたマネの存在が、彼らを奮い立たせます。

 しかし、若き画家達が作品を世に問うた時、待ち受けていたのは無理解と嘲笑でした。絵が売れず、共同生活で家賃を節約し、燃料費を惜しんでストーブで煮炊きする。そんな、苦しい戦いの日々が始まります。それでも彼らは、自分たちの感性を信じ続けるのでした。

 バジール、シスレー、カイユボットといった、ふだん影に隠れがちな画家達にもスポットを当てながら、西洋絵画の大きな転換点、印象派の夜明けの日々を描きます。

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