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 19世紀末、パリの街を彩った石版画のポスターで知られる画家、アンリ・ド・トゥールーズ・ロートレック。一風変わった天才が大都会の夜をまさに演出し、芸術のあり方までも変えていきました。若き天才は芸術家たちが暮らし、その隣で夜の街が息づくモンマルトルで新しい芸術を生み出していました。しかし、彼を支えたのは都会の夜だけではありませんでした。

 ロートレックが生まれたのは南フランスの街、アルビ。ここで、フランス有数の貴族の息子として育ちました。一流の教育を受けさせようと伯爵一家はパリに暮らすこともありました。しかし、身体の虚弱なアンリには田舎での静養が必要だという医師の意見から故郷アルビの郊外にある親戚の家がその住まいとなりました。そこは「シャトー」。貴族の城館でした。

 ところがこの田舎暮らしの中でロートレックは両足を骨折し、大きくなっても下半身は成長しませんでした。奇妙な風貌から父親である伯爵は息子を社交界には出さずに、田舎のシャトーに押し込みました。母親は息子に深い愛情を注ぎました。

 やがてロートレックは自分の絵を力に気づき、パリで絵の勉強をすることを決意します。そして出会ったのがムーラン・ルージュの踊り子たちと夜の街で生きる女性たちでした。彼のインスピレーションは常に彼を受け入れてくれる女性たちだったのです。

 生まれ故郷アルビの美しさや今も残るロートレックの見た風景とともに、ポスターだけではない彼の描いた世界の全貌をご紹介します。

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