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バロックの巨匠ピーテル・パウル・ルーベンス。日本人には、「フランダースの犬」で主人公のネロ少年が憧れた画家としても知られています。『レウキッポスの娘たちの略奪』や『三美神』など、彼の特徴である豊満な裸婦像も、見覚えのある方が多いことでしょう。

ルーベンスが生涯に制作した絵画は、約1200点。その中には、一辺が2メートルを超えるような大作も少なくありません。エネルギッシュなその絵は、ヨーロッパ中の王侯貴族を魅了し、彼は次々と自分の作品を各国の宮廷に送り出していきます。
しかし彼は、単純に顧客に喜ばれる絵ばかりを描いていたわけではありません。時にはその絵の中に、彼自身の政治的なメッセージも含まれていたのです。
ルーベンスが生きた17世紀、ヨーロッパでは宗教改革に始まるプロテスタントとカトリックの勢力争い、さらには国同士の勢力争いで、混乱が続いていました。
ルーベンスの両親は、父がプロテスタント、母はカトリック。このため一家は、宗教対立に翻弄された経験も持っていました。しかし同時に、ルーベンスは両親のおかげでプロテスタントとカトリックが共存できることも知っていたのです。このことが、画家となった彼に、もうひとつの顔を与えることになります。

児童文学とアニメの名作「フランダースの犬」にも登場したアントワープ聖母大聖堂、彼の工房も兼ねていたルーベンスの家など、ゆかりの場所を巡りながら、バロックの巨匠ルーベンスの知られざる素顔に迫ります。

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