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ファッションの街として、多くの女性が憧れるパリ。ここがいつ頃から“おしゃれな街”になったか、ご存知ですか? それは18世紀の初頭、ロココという優雅で女性的な美術様式が広まり始めてからのことです。

ロココという言葉は、当時流行した、曲線が主体の室内装飾から生まれました。貝殻のモチーフが好んで用いられたことから、貝殻装飾を指すロカイユをもじって、この様式をロココと呼んだのです。

18世紀初頭、絶対王政を確立した太陽王ルイ14世が逝去すると、それまでの堅苦しい雰囲気が一変して、享楽的な空気がフランスを覆います。舞踏会やサロン、屋外での宴など、人々の楽しい集いが数多く催され、アバンチュールを楽しむ風潮が生まれました。そんな時代の雰囲気をいち早く捉えたのがヴァトー。貴族達の優雅な屋外の宴、そしてそこに集う男女の恋の駆け引きを描き、優雅で軽快なロココ絵画への道筋をつけます。

ロココの発展に大きな影響を及ぼしたのは、一人の女性でした。時の王ルイ15世の寵姫ポンパドゥール夫人です。夫人は王の寵愛を保っていくために、ロココも巧みに利用しました。王を退屈させないための演劇、優雅で、時には官能的な絵画、そして国政を助けるため、振興策として興したセーヴル焼。夫人によってロココは大輪の花を咲かせ、お抱えの画家ブーシェはロココを代表する画家になります。

ロココの時代には、女流画家も活躍しました。その代表、ヴィジェ=ルヴランは、王妃マリー・アントワネットを始め、数多くの肖像画を残しています。

女たちが愛し、また女性自身が担い手にもなったロココ美術。ヴァトー、ブーシェ、フラゴナール、ヴィジェ=ルヴランの作品を中心に、室内装飾やセーヴル焼など、幅広くロココの魅力に迫ります。

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