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イタリア北東部の干潟に建設されたベネチアは、イタリア屈指の水の都。暖かい陽射しが降り注ぎ、美しい色彩を放つこの町は、一年中、多くの旅人で賑わっています。光溢れるこの場所で、15世紀後半から16世紀にかけて、華やかで明るい独特の名画が次から次へと描かれました。

筆をとったのは、色彩の錬金術師と言われるティツィアーノをはじめ、ベネチアで活躍した巨匠たち。
彼らは、デッサンを重視し、理想的な美を追求した、フィレンツェの巨匠たちとは対照的に、光と色彩を自在に扱い、独自の美を追い求め、ベネチア・ルネサンスと呼ばれる時代を生み出しました。
艶やかなベネチア・ルネサンスの名画の数々。それは、従来の常識を覆す革新的な絵画でもありました。
なぜこの水の都で、ベネチア・ルネサンスと呼ばれる時代が花開いたのでしょうか。

ベネチアにとどまらず、60年以上にわたりイタリア絵画界で栄光の座に君臨し続けたティツィアーノ。彼の絵は、後世の多くの巨匠たちにも感動を与え、彼らの手本となりました。
そんなティツィアーノに、色彩を自在に扱う術を生み出し与えた、ベネチア・ルネサンスの先駆者ベルリーニ。叙情的な絵画は師であるベルリーニへも影響を及ぼした、ティツィアーノの兄弟子ジョルジョーネ。ティツィアーノに嫉妬の念を抱かせたとも言われる才能で、豊かな色彩表現を継承したティントレットや、宗教画の中にさえも明るく楽しげなベネチアの空気を描きこんだヴェロネーゼ。
彼らは皆、陽光きらめく自由なベネチアを愛しました。
そして彼らを育んだのもまた、ベネチアの風土と歴史でした。
繁栄を謳歌していたベネチア。華やぎに溢れたその町では、人生を楽しむ喜びに満ちていました。
ルネサンス期最高の画家とも歌われるティツィアーノを主軸に、栄光の時代に花開いたベネチア・ルネサンス期の名画の数々をご紹介します。

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