放送内容タイトル

作品情報ほか
  • 画像1
  • 画像2
  • 画像3
  • 画像4

 16世紀後半、イタリアに一人の天才画家が現れました。画家の名は、ミケランジェロ・メリジ・ダ・カラヴァッジオ。38年という短い生涯をイタリア各地を転々として過ごした理由、そしてそのためにイタリア各地に残るカラヴァッジオ作品の数々を番組は追っていきます。

 ほとんど独学で絵画技法を習得したといわれ、独特の画風を確立していったカラヴァッジオは、光と闇のコントラスト、どこまでもリアリティを追求した写実表現によって、まるで舞台の1シーンを切り取ったかのような臨場感あふれる画面を作り出します。そしてその時代を先取りした彼の作風は、教会との揉め事を引き起こすこともあったのです。

 もともと凶暴な性格だったといわれており、行く先々で揉め事を起こし、投獄されてはパトロンに助けられる、といったことを繰り返していました。しかしローマ滞在中に、パトロンにも助けようの無い決定的な事件を起こしてしまいます。原因は謎ですが、殺人を犯してしまうのです。死刑宣告を受け指名手配されたカラヴァッジオは、南イタリアへ逃亡します。

 ナポリ、シチリア、マルタ・・・風光明媚な逃亡の地で、彼の描く作品はさらに研ぎ澄まされていきます。またマルタでは憧れの騎士団への入団が許されるなど、嬉しい出来事も。しかしまたもや事件を起こし、人生の終末に向かっての逃亡はつづきます。

 カラヴァッジオの強烈な個性が生み出した作品の数々は、後進の画家たちに多大な影響を与え、後の巨匠レンブラント、フェルメール、ベラスケスを生み出すこととなりました。

 ローマからナポリ、さらにマルタ。ドラマチックなカラヴァッジオの絵と生き方にせまります。

作品情報ほか