暦を歩く
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「宵待草」(千葉県 銚子)
待てど暮らせど 来ぬ人を
宵待草の やるせなさ
サーファーたちで賑わう、千葉県銚子の海。今から約百年前、画家・詩人の竹久夢二がここに避暑に訪れました。そしてここで出会った若い女性に恋心を抱きました。しかしその恋は、実ることはありませんでした。その思いを歌ったのが、「宵待草」です。
実は「宵待草」という植物は存在しません。銚子の海岸線に咲いているのは「マツヨイグサ」、夕暮れに咲き、明け方にはしぼんでしまうこの花に、夢二は自らの儚い恋を重ねたのでしょうか。今年もまた、黄色いマツヨイグサが、調子の海を彩っています。
撮影協力 千葉県フィルコミッション
千葉県立中央博物館