暦を歩く
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「夏の月」(兵庫県 須磨・明石)
元禄元年の初夏、松尾芭蕉は兵庫県の須磨から明石あたりを旅しました。古くから月の名所として知られ、源氏物語の舞台としても登場する名勝です。
かたつぶり 角ふりわけよ 須磨明石
明石ではこの時期、たこ漁が盛んです。海の底で夢を結ぶたこの姿に、一の谷の合戦で敗れた平家の儚さを重ねた、印象的な句が生まれました。
蛸壺や はかなき夢を 夏の月
今もこのあたりには多くの俳句愛好家たちが訪れ、吟行を楽しんでいます。