暦を歩く
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「湯豆腐」(山口県 小郡)
ひとりで食べる 湯豆腐うごく
漂泊の旅を続けた俳人、種田山頭火。晩年、故郷の山口県・小郡に庵を構えると、友人たちが酒を携えて訪れるようになった。しかし、友人が帰るとまた孤独が忍び寄ってくる。そんなとき山頭火は決まって湯豆腐を食べたという。フツフツと揺れる湯豆腐もまた、山頭火の友人のような存在だった。
そして日記に、こう記した。
ゆっくり、しんみりやりました。うまかった、ありがたかった。
改めて御礼を言う。豆腐菩薩。
(撮影協力 山口市フィルムコミッション)