暦を歩く
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「山焼き」(奈良県 若草山)
山焼き今年は花火多く美し (志賀直哉の日記より)
文豪・志賀直哉は大正の終わりから昭和にかけて奈良に居を構えました。その建物は今も残されています。二階の窓から正面に見える若草山では、毎年冬に山焼きが行われています。これは、枯草を焼き新たな芽吹きをうながす野焼きであるとともに、世界の平和を願う行事でもあります。昭和9年、志賀直哉は自宅から山焼きを眺め、日記にこう書き記しました。折しも日本は戦争に向かう動きが見隠れしていた時代、文豪はこの山焼きの美しさに、何を思ったのでしょうか・・・。
山焼きが、古都・奈良に春を呼びます。