暦を歩く
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「ふるさとの味」 (石川県 金沢)
ふるさとは 遠きにありて思ふもの そして悲しくうたふもの
晩秋の金沢、名勝・兼六園では冬に備えて雪から木々を守る「雪吊り」が始まりました。明治から昭和にかけて活躍した詩人・室生犀星は、ここ金沢の出身。犀川の畔で生まれ育ったことから、筆名を犀星としたそうです。この時期、金沢では「かぶら寿司」が作られます。輪切りしたかぶにブリや昆布を挟んで米麹で漬け込んだ、北陸の冬には欠かせない味です。犀星は東京に出てからもこの「かぶら寿司」を食べるたびに、遠く離れた故郷を思い出していたそうです。