暦を歩く
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「左義長」 (神奈川県 大磯)
塞の神をまつる日来る 遠く海岸より太鼓の音 島崎藤村
文豪・島崎藤村が終の棲家と決め最晩年を過ごした、湘南・大磯。その住居は、今も当時のままの姿で残されています。藤村が昭和17年1月の日記に書き残した「太鼓の音」が、今年も聞こえてきます。小正月の祭礼・左義長です。松や竹で作った円錐型の塔に正月飾りや縁起物をつけた「セエト」が海岸に並び、日が暮れるとこれが燃やされます。その後、裸の男衆が海に入り、陸と海とで綱引きをする「ヤンナゴッコ」という珍しい行事も行われます。
撮影協力 大磯町左義長保存会