アーシストcafe 緑のコトノハ

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2010年11月1日~11月5日
山田香織(盆栽家)

埼玉県のさいたま市には、盆栽を愛でに世界中から多くの人々が訪れる町、その名も「盆栽町」がある。有名な盆栽園がたくさんあるその町並みの中でも、ひときわ注目を集めているのは、江戸時代から続く老舗「清香園」。その5代目、若き山田香織さんは、盆栽の名作と伝統を守りながらも、カジュアルな盆栽のスタイルを提唱し、同世代の人たちにも楽しんでもらいたいと考えている。 「彩花盆栽」と名づけたそのスタイルは、四季を彩る草花や苗木、コケを寄せ植えにすること。一本の木の形や枝ぶりを時間をかけて手入れする従来の作法とは違い、手軽に始めることができる。山田さんは地球の環境の変化も日々感じている。盆栽は鉢で育てるが、これは植物にとってはある意味過酷な状況。だから盆栽は気候の変動に影響されやすいという。例えば、都市部の気温の例年にない大きな温暖化で、葉が茶褐色になる「葉焼け」という現象が起きやすくなり、鉢の手入れが困難になってきているのだ。 山田さんは「盆栽を通じて、地球環境のことを思うようになりたい。小さな盆栽の中には、豊かな大自然の息吹があるのだから。」と、静かに語る。