アーシストcafe 緑のコトノハ

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2011年3月14日~3月18日
恩田英治(ズーラシア内・横浜市繁殖センター所長)

生き物の多様な種類を保護しようという、国連の「生物多様性年」である今年、動物園が担う「種の保存」や「環境教育」の役割が注目されている。 そうした中、脚光を浴びているのが、横浜にある「ズーラシア」。 この国内最大級の動物園には、スマトラトラやホッキョクグマ、そして珍しいオカピまで、貴重なおよそ80種400匹もの動物がいて、年間100万人以上が訪れる。ズーラシアの特徴は、野生の生息地にできるだけ近い環境で動物を見ることができること。さらに園内に、絶滅危惧種を増やす繁殖センターがあることだ。この「繁殖センター」の所長が恩田英治さん。希少生物の繁殖の研究を続け、これまでに世界的に貴重なマレーバクやホオアカトキなどの繁殖に成功、大きな実績をあげてきた。さらに増やした鳥を元の自然に戻すプロジェクトも進めている。インドネシア・バリ島に生息するカンムリシロムクは約10年前、野生には、ほんの数羽しかいなくなってしまった。この絶滅寸前の鳥を繁殖させ、約100羽を現地に放すという快挙を成し遂げている。 「地球上の生き物は、網の目のように、つながっていて、一つでも種が欠ければ、その網の破れ目は次第に大きくなってしまう。生き物は互いに支え合っているのだから、生物多様性が重要なのです。」と恩田さんは訴える。