アーシストcafe 緑のコトノハ

アーシストcafe 緑のコトノハ

  • トップページ
  • バックナンバー
2016年12月12日~12月16日
飯泉太子宗(いいずみとしたか)
(古仏修復工房 仏像修復師)

古刹に佇むありがたい仏像…。その姿が数百年の時を経て拝めるのも、実は朽ちたり、痛んだ時に丁寧な修復がされているからなのです。修復するのは言わば「仏像のお医者さん」たる仏像修復師。著作を発表し、若手として注目を集めているのは、茨城県桜川市の「古仏修復工房」の飯泉太子宗さんです。京都の美術院国宝修復所などで仏像修復にあたり、世界中の文化遺産を1年半見て回った後故郷に戻り、2007年に「古仏修復工房」を立ち上げました。ハケで汚れを取り、分解して部材の痛み具合を確認、欠けた部分は新たに作って古びた色を塗る…繊細な手作業の連続である仏像修復。台座に江戸時代の修理の記録が記されていたり、胎内から銘文が出てくる事も。たいていの古仏にはすでに何回もの修復跡があるのです。大勢の人が手作業を積み重ね守ってきた仏像は、時を超えた人々の繋がりそのもの。飯泉さんは、「仏像の修復はリレーのバトンをつなぐこと」と語ります。東日本大震災では多くの仏像が倒壊し、修復した仏像は20体に及びました。「傷んだ仏像との出会いは一期一会、これからも大事にしてもらえるよう丁寧に直して、次世代へと繋いでいきたい」と静かな熱を込めて語ります。

飯泉さんの活動をもっと知るには・・・
古仏修復工房HP npo.butuzou.net/
古仏修復工房ブログ http://blog.livedoor.jp/tukiou1/