アーシストcafe 緑のコトノハ

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2016年9月5日~9月9日
中村拓志(建築家)

 若手建築家のホープ、中村拓志(ひろし)さん。隈研吾事務所の主任を経て20代で独立。
人と緑に寄り添う建築家として知られ、数々の建築賞に輝いています。
 例えば東京を代表するストリートの一つ、表参道のビルは、屋上に大きなケヤキやクスが生い茂り、鳥が舞う憩いの場となっています。路上から緑が見えるように、外側に木を植えるところから設計、根の部分の土を盛ったため、外周部の高い、すり鉢状の広場となりました。この形は、知らない人同士でも、ふと気づけばみんなが一つの輪になっているというゆるやかな一体感、居心地の良さを生んでいます。
 狭山湖半霊園の奥、森に接して作られた礼拝堂は、木々に抱かれながら森に祈りを捧げる場。木々の枝葉が建物にぶつからないよう、壁の上部を内側に倒した結果、合掌造りのデザインになりました。その内部では、壁が傾いていることにより、人は自然と頭を垂れ、合掌する気持ちに。遺族の気持ちに寄り添い、支えるような建築を中村さんは「人と一緒に建物も祈っているような礼拝堂」と表現します。
 緑を主役にして建物の形を考え、同時に使う人の気持ちに思いを馳せる…新しい発想で注目を集める中村さんの、フレッシュなコトノハを紹介します。

中村さんの仕事をもっと知るには・・・
http://www.nakam.info/jp/