アーシストcafe 緑のコトノハ

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2014年6月23日~6月27日
田中耕太朗(江戸すだれ職人)

環境に優しく、暮らしに風流をもたらすインテリアとして見直されているすだれ。目隠しと風通しの2役を担う、重宝な生活道具です。浅草・田中製簾所の五代目、田中耕太朗さんは、毎日、丁寧な手作業ですだれを作っています。竹すだれの場合は、まず竹を一定の長さに切り、汚れを落としたあと、一本ずつ鉈で割り、さらに細いひご状にしていきます。こうすると、繊維にそって割けるので強度が出るのです。葦や萩などのすだれも、自然の素材を生かした作り方をしています。編みの工程では編み機の上部に葦など材料を1本ずつ足しながら、投げ玉(重石と糸巻きの役目)を前後に投げて編んでいきます。カランコロンという音が楽器でも演奏しているかのように響く、繊細な技。こうして生まれるすだれは、節や皮の色が模様を作り美しいだけでなく、直しながら何十年も使えます。四季折々の風流を暮らしに取り入れる奥深い江戸文化の技を現代に伝えています。