アーシストcafe 緑のコトノハ

中村 元さんは日本初の水族館プロデューサー。鳥羽水族館（三重県）でアシカトレーナーや改装リニューアルに携わった経験を経て独立し、フリーランスで日本各地の水族館の展示施設の開発に関わってきました。中村さんが展示プロデュースを手掛けたサンシャイン水族館（池袋）が、都会のビルの中にあり巨大な水槽を作ることができないという悪条件の中、3年前の改装オープン以来５００万人もの来場者数をたたき出したその秘密とは、「来館者の視点」を敏感に捉えその欲求を満足させる展示を心がけたこと。「人は水塊（すいかい）に癒されたいから水族館にやってくる」と分析した中村さんは、水槽の大きさに頼らずに、水塊がより大きく見えたり水の中の浮遊感が増幅するようなアイデアを駆使したのです。海に暮らす動物たちの生息地で感じた彼らの魅力を最大限に伝えることが、自らのミッションと考える中村さん。展示デザインに妥協を許さない熱く、優しいコトノハに耳を傾けます。