にっぽん今昔道 江原啓之のちょっと道草
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京都府・「以心伝心の街・京都」




歴史と伝統の街「京都」にやってきた江原さん。
今日の道草は、京都の街を潤す鴨川からスタートです。
京都と言えば数多くの神社・仏閣が立ち並ぶ街。そんな京都には江原さんも知らない不思議で魅力的な神社がありました。

向かったのは京都御所近くの「護王(ごおう)神社」。最初に江原さんを出迎えてくれたのは狛犬ならぬ“狛イノシシ“。珍しい狛イノシシが置かれている理由を、禰宜さんが教えてくれました。
ここ護王神社は「和気清麻呂(わけのきよまろ)」と「和気広虫(わけのひろむし)」を御祭神に祀る神社。そんな神社にイノシシの狛犬が置かれている訳は、御祭神・和気清麻呂公が災難にあわれた際、300頭ものイノシシが現れて助けたという伝説に由来するといわれています。
その為「清麻呂公のお社には狛犬でなく狛イノシシを」という崇敬者の声により建てられた「狛イノシシ」は護王神社のシンボルとして親しまれています。

そんな神社には、他にも猪にまつわるものがありました。それが境内に置かれている大きな切株。刻まれているのは大小様々なイノシシの姿。実はこの木は以前、境内に根を下ろしていた大きな桂の木だったのですが、境内の整備の一環として惜しまれつつ切る事となってしまったそうです。その切り株を使って何か残そうと考え、職人さんに制作を依頼したところ、特に注文をしていないにも関わらず、不思議と猪をモチーフにした作品が完成したのだそうです。
その切り株を前に江原さんが感じたものとは・・・

そしてそのイノシシに守られるのが境内に建つ「祈願殿」。この建物の中に安置されているのがもう一人の御祭神「和気広虫姫」の木像です。子育て明神と呼ばれるこの木像を見た江原さんは、その柔らかな面差しに心奪われた様子。なんと、この木像を作ったのは京都在住の仏師と教えて貰った江原さん。その仏師さんを訪ねてみることに。

京都在住の「今村宗圓」さんは50年近く、仏像を彫り続ける仏師。これまでに作り出した仏様は全国各地で人々の心の拠り所となっています。
初めて訪れた仏像工房に興味津々の江原さん。「一本の木から、どうやって彫り出すの?」「仏様を彫る心構えとは?」あんな事や、そんな事まで…根掘り葉掘りの質問攻めです。

そして江原さんが出会ったのは、宗圓さんと共に仏像を作り上げる、彩色師の奥様・知子さんと截金師(きりかねし)の娘・愛さん。彩色師とは色鮮やかな染料で仏像を彩る職人で、截金師は金箔などを使い装飾を行う職人の事です。 お二人がいてこそ、宗圓さんの仏像が完成するのだといいます。家族3人の力で作り上げるからこそ、人の心を打つ仏像が生まれるのだという事を感じた江原さん。
想いを伝える「伝心の力」を強く感じた、京都の道草となりました。