にっぽん今昔道 江原啓之のちょっと道草
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神奈川県・「品格の真意・小田原」




今回は、神奈川県小田原での道草です。
小田原は、かつて宿場町でした。宿には険しい箱根峠を控えた人々が集まり、東海道の中でも有数の賑わいを見せたといわれています。

さっそく「松原神社」と書かれた大きな看板を発見。
歴史を知るにはお宮が一番ということで、向かうことにしました。
大通りから1歩入ったお宮はとても心落ち着く静けさ。
江原も1歩足を踏み入れた途端、居心地の良さを感じたようです。

「松原神社」は小田原の総鎮守。創建の詳細が不明なほど古から守られてきたお宮です。
禰宜の村上文彦さんは、お宮を守り続ける中で最近悩みがあると話してくれました。
昔は学校の授業でも、神話などを教育として捉えていたものですが、現代では教える事が少なくなってしまったため、神や仏が身近でなくなり、
敬う心が薄れていると感じているのだそうです。
江原は「畏れをなくすと人間が傲慢になる」と神や仏への敬意を持つ大切さを後世に伝えていかねばならないと強く感じるのでした。

続いて住宅街の中を歩いているとなにやらお城らしき建物を発見。
不思議な景色に引かれて進むと「ういろう」の文字が目に飛び込んできました。

店内に入ると社員の方に「ういろう」という名が創業者本人の名前だと聞き、とても驚いた江原。しかもお菓子の「ういろう」とは別に
“薬のういろう”もあると教えられ、驚きが隠せない様子。

さらに歌舞伎十八番「外郎売(ういろううり)」が薬のういろうと深い関係があると聞き、三度も驚きます。
昔からお菓子は人々の喜びのため、そして薬は人助けのために作られたといわれています。
その製法技術は現在も一子相伝です。

明治時代から大切にされてきた蔵に通してもらうと昔使われていた道具など、どれも2つとないものばかりです。そして「ういろう」は世のため人のために作られるべきという社風から商標をとっていないそうです。

本物には「自信」があり「品格」がある。
だからこそどの時代でも生き残っていけるのだと実感した道草でした。