にっぽん今昔道 江原啓之のちょっと道草
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ストーリー

愛知県・「命のリレー愛知・岡崎」




今回は、愛知県の「岡崎」で道草。
岡崎は神社仏閣が多く、戦国時代を生き抜いた武士たちが、祈願に参拝した場所もあるという、歴史深い町です。

商業都市名古屋から特急で30分という距離にありながら古い街並みが残されている岡崎は徳川家康の故郷としても有名です。
岡崎城を中心に昔ながらの街並みや旧東海道をレンタサイクルで巡るなどの楽しみ方もあり浪漫溢れる岡崎は、秋の調査週にはふさわしい旅先です。
まず、見つけたのは「伊賀八幡宮」と書かれた神社の看板。
全国に点在する「八幡宮」とは、知恵の神様が祭られている神社なんだとか。
神職の経験を持つ江原も、八幡宮にはゆかりがあるそうです・・・

神社の目の前に立つと、一面に広がったのが蓮池です。
レンゲは、泥の中から美しい花を咲かせることで有名ですが、泥水ゆえに、時期によっては少し匂ってしまうことがあるんだそうです。しかし地元の方々は、昔から人生を語るかのように咲き誇るこのレンゲを大切に守り続けているため、それでもレンゲでなければならないと言うんだそうです。
また、境内に馬の銅像があるのを見た江原。
神社で願い事を書く絵馬が、なぜ馬なのか、その理由を話してくれました。

「伊賀八幡宮」は、1470年に徳川家の祖先にあたる松平親忠によって建てられた、徳川家康にゆかりのある神社。家康は、先祖が徳川繁栄を願って建てた想いに応えるように本殿を建て、また、その孫である三代将軍家光が、拝殿などを造営して、境内を整備したんだそうです。
先祖を敬う気持ちをいかに重んじているかを感じた江原。
代々日本人が大切にしてきた気持ちとして、現代にも通じるものがあると、心を正される思いになったのでした。
「伊賀八幡宮」は日光東照宮とも匹敵するといわれる雰囲気があり江原も認める聖域パワーがあり、あたたかく家族愛に包まれている空気を伝えたいと思います。

続いて、住宅地を歩いていると「旧東海道」の道標を発見。矢印の方向は「江戸」と「京」でしたが、江原は「江戸」の方角へ。すると、なにやら趣のある味噌蔵が姿を現しました。

岡崎の名物と言えば八丁味噌。江原が訪れた「まるや八丁味噌」は、1337年、岡崎で八丁味噌が作られ始めて以来、続いているお店です。その製法は独特で、背丈よりも大きな木樽に原料を入れ、その上にピラミッドのように石を積み上げて、二夏二冬熟成させるんです。積み上げる石は、大きさも形もバラバラですが、熟成して味噌のかさが変わっても、石が崩れることはないほど、上手く積み上げられます。
この作業は、限られた者にしかできない職人技だそうです。

店が繁盛することを考え、関連商品を作ろうかと思った時期もあったそうですが、社長の浅井さんは、地元の方々の望みを"八丁味噌は土地の財産"であると考えているので、昔ながらの製法を守り続けることにしたんだそうです。

岡崎には、先代の想いがバトンになって、今に繋がる"命のリレー"が根付いていると実感した道草でした。