にっぽん今昔道 江原啓之のちょっと道草
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神奈川県・「夫婦が支える味…横浜」




「にっぽん今昔道」。今回も、神奈川・横浜にやってきました。横浜は、あまり詳しくないと言う江原。どんな古きよき日本に出会えるか、期待しながら、道草スタートです。

路地裏と呼ばれるような、細道を歩いていくと、ビルの谷間に古い日本家屋が一軒だけあるのを発見。大正12年創業の甘納豆専門店「おもや」です。昔は日本家屋ばかりだった景色が、ビルやマンションが立ち並んでいつしか自分の店だけになってしまったと言います。店頭にはショーケースがあり、小豆からそら豆や栗まで7種類の甘納豆が並んでいました。今も、昔ながらの量り売りを徹底しています。

店の奥に甘納豆を作る工場があると聞き、ちょっとお邪魔してみることに。豆を水に浸けて柔らかくした後に、蜜でじっくり煮込むのですが、蜜は2段階の甘さで煮込むんだそうです。そのため、完成するまで3日かかるとか。甘納豆作りに意外なほどの手間隙がかかることを知った江原、感謝しながら大事に頂きました。

続いては人通りが多く賑やかな商店街へ新しい店舗が軒を連ねる中、一軒だけ、昔から続けているお店を発見。

江原が立ち寄ったのは「花見煎餅吾妻屋総本店」。創業明治38年の老舗です。まずは手焼き煎餅を勧められたので、焼きたてを頂きました。香ばしい醤油の香りと、焼きたての食感がわかるほどのサクッとした音がたまりません。そして、煎餅の手焼きにも挑戦!火元が近く、暑い中、1枚1枚焼いていくのは、思っているより大変な作業。見よう見真似でしたが、心をこめて焼いた江原の煎餅は見事に完売!!

昔の話を81歳の先代に尋ねると、昔は店を閉める時間は女将さんが決めるものだったそうで、女将の決定がないと従業員はその時間まで働きっぱなしになるのが常だったそうです。夜11時まで店を開いていることもあったんだとか。
こうして、代々女性が権限を持って商売を支えてきた煎餅屋では、妻を大事にしようということで、店名に「吾妻」という字を入れたんだそうです。現在のご主人も、奥さんには頭が上がらないそうです。
吾が妻あって成り立ってきた老舗に出会い、どの夫婦にも通じるものを感じた江原でした。