にっぽん今昔道 江原啓之のちょっと道草
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千葉県・「佐原・粋を受け継ぐ町」




にっぽん今昔道。前回に引き続き、千葉県の小江戸・佐原で道草を行います。

都心から車で1時間半という距離にありながら古い町並みが残されている佐原は、江戸の商人たちが作り、そして守ってきた町。
江戸時代に精巧な日本地図を作った、あの"伊能忠敬"も佐原の商人だったのです。

「佐原では町ぐるみで守っている伝統があるらしい」と江原は聞きつけ その伝統とは一体何なのか?探るために、道草スタートです!

商家の看板や家並みを眺めていて目に入ったのは"油"の提灯。
こちらは、江戸時代から続く油の専門店。今では食用でしか使われなくなった油ですが、電気のない江戸時代は灯りをともす為の必需品でした。

現在の人気商品は、昨今何かとブームになっている"ラー油"。昔ながらの手絞りで作ったゴマ油を使ったラー油は濃厚なゴマの香りと引き締まるピリ辛さが抜群。
自称「ゴマラー」の江原、大感激です!

江原が続いて向かったのは創業寛政年間の佃煮専門店。
佐原では利根川で採れる川魚の佃煮が昔ながらの郷土食なのです。
こちらのお店で出会ったのが、佐原の古い時代を知るご隠居。
商人が町を代表していた時代、「旦那衆の時代」のお話を伺います。
垣間見えるのは、とにかく華やかで、粋な旦那衆の暮らしぶり。
しかし「旦那衆はただ遊んでいたわけではない」とご隠居。
店の為に、家族の為に、そして町の為に、とにかく"見栄を張る"のが旦那衆の心意気。
物事を上手く進めるには「苦しむ姿を表に出してはいけない」んだとか。

そして江原は「町ぐるみで守っている伝統」をご隠居から教えてもらいました。
それが7月と10月に行われる大祭。
町の人たちはお祭りに命を懸けていると言っても過言ではありません。
お祭りの日には、仕事を辞めてでも佐原に帰ってくる人もいるんだとか・・・。

祭り囃子の練習をやっていると聞き、町外れの大きな土蔵へ。
日本三大囃子"にも数えられる「佐原囃子」を早速鑑賞させてもらいます。

最後にご隠居の息子さんから代々伝わる家訓を教えてもらいます。
それは『先祖から預かりしもの、箸一本に至るまで己のものは無いと思え。
次代に引き継ぐことを使命とせよ。』
それはまさに佐原の人々に息づいている祭りへの想いそのもの。
大感激の江原でした。