BS朝日開局15周年特別企画 黒柳徹子のコドモノクニ ~夢を描いた芸術家たち~

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放送内容

いわさきちひろが愛した童画家・初山滋

今回は、いわさきちひろも愛した童画家・初山滋の世界をたどる。

武井武雄と並び称される童画界の巨人・初山滋。色鮮やかな水彩画から素朴な版画まで、多彩なスタイルの童画を描き、誰にもまねできない世界を築き上げた。絵雑誌『コドモノクニ』に約150作品を残し、さらに名作童話の挿絵、教科書の表紙など数多くの作品を描いている。いわさきちひろをはじめ、後世にも大きな影響を与えた。

そんな初山滋の世界を巡るのは、漫画家の黒鉄ヒロシさん。唯一無二の世界を、多彩な視点から楽しみ、黒鉄流に読み解いていく。

初山作品の大きな特徴は、美しい線と平面性。独特の画面構成の中に多彩な線が躍り、豊かな表現を生んでいる。それを育んだものは、意外にも日本の伝統的な着物にあるという。貧しい家庭に生まれた初山は、わずか9歳から着物の模様画工房で働き、伝統的な着物の柄や日本画を学んだ。12歳にして、デパートの着物柄募集で一等を取るほどであったという。

自らの描きたいものだけを描いた初山滋は、暗い戦争の時代に入っても信念を貫き、戦争絵を描こうとはしなかった。その頃『コドモノクニ』に掲載した作品に、当時の初山の心境が垣間見える。「からっぽの船」という作品では、絵とともに自作の詩を発表。そこには、戦争に対する痛烈な皮肉が描かれていた。

出演:黒鉄ヒロシ