ネイチャードキュメント 奇跡の地球紀行
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巨大活火山と極彩色砂漠 天空の国エチオピア
世界遺産教会の神秘祭典
ダナキル砂漠とエルタ・アレ火山
エチオピア北東部に広がるダナキル砂漠は「人類が住む世界で最も暑い場所」とされている、酷暑の地。砂漠の中に突如現れる極彩色の泉。地下にある活火山の火口であり、地下水が火山の熱によって温められ、地球内部のミネラルを吸収しながら地表へと浮上した結果、このような泉ができたという。
アフリカ大地溝帯に位置するダナキル砂漠では、地殻が薄く引き伸ばされ、マグマが地表の下まで迫ってきているため、さまざまな場所で火山活動を見ることができる。中でも、世界一低い活火山とも呼ばれるエルタ・アレ火山の活動は激しく、地表にマグマが吹き出している。
ティムカット祭
エチオピア北部のラリベラの岩窟教会群は、石をくりぬいて作られた、珍しい建築様式で、世界遺産にも登録されている。今回の旅では、エチオピア正教の祭典、ティムカット祭が開かれている、世界遺産の教会を訪ねる。この祭りは、1月20日前後、3日間にわたり開催される、キリストの洗礼を祝う行事だ。各教会からモーセの十戒を記したタボット(契約の箱)が司祭らによって運ばれ、神聖なる儀式や聖歌隊の歌や踊りが行われる。タボットとは、映画『インディ・ジョーンズ レイダース失われたアーク≪聖櫃≫』で題材となったもの。華やかな衣装をまとって行進する人々…。ヨシダナギさんはこの祭りをどのような写真に切り取るのか。
誇り高き砂漠の民…アファール
人類が住む世界で最も暑い場所、ダナキル砂漠に住むアファール族。厳しい環境下で限られた物資のみで生き延びるために、精神的な勇敢さを大事にする文化が育まれてきたという。男性は白いコットン地の布を肩から身につけ、ギレという刃渡り40センチものナイフを持っている。このギレは男性の強さ、誇りの象徴として、親から子へと受け継がれていく。一方、アファール族の女性は、顔立ちが美しいことで知られている。彼女たちの仕事は牛やヤギ、羊を放牧するほかに、まきや水を集めること、食事の用意、穀物を粉にしてパンを作ること、マットやミルク入れを作ること。長いスカートをまとい、ビーズのネックレスやアンクレットで身を飾っている。
今回の旅でヨシダナギさんにひらめいたアイデアは、このアファール族の人々を極彩色の砂漠の中で撮影するというもの。果たしてどんな作品が生まれるのか?