ネイチャードキュメント 奇跡の地球紀行
バックナンバー
BBCスペシャル
古代エジプトの至宝~歴史を刻む美しき遺産~
古代エジプトの芸術作品を紹介しながら、その歴史をたどるシリーズ。大きな力を持った王たちが作らせた美しき"遺産"の数々を追う。
番組では、紀元前6000年頃の新石器時代から、紀元前332年にアレクサンドロス大王による支配を受けて古代エジプトが終わりを迎えるまでの歴史を見ていく。紹介するのは、ツタンカーメンの黄金のマスクや、最も美しい顔付きをしていると言われるネフェルティティの胸像などの芸術作品。そして、ギザの大ピラミッドやスフィンクス、アブ・シンベルの大神殿といった巨大な建築物。
こうした芸術作品の華やかさや壮大さの裏側には、いつも王の願いや苦悩が秘められていた。歴史をひも解くことによって、そこに隠された想いを読み取っていく。果たして、芸術作品から浮かび上がってきた王の姿とは?
シリーズを通して、輝かしき古代エジプトの世界に迫る。
古代エジプトの芸術を紹介しながら、その歴史をたどるシリーズ。建物や彫刻など、王たちが作らせた美しき"遺産"の数々を追っていく。
エジプトの芸術のはじまりは、紀元前6000年頃の新石器時代の壁画にある。サハラ砂漠に残されたその壁画には、当時の信仰が描かれていた。そして、紀元前3000年頃になるとエジプト全土が統一される。それを記した「ナルメル王のパレット」には、それ以降の芸術作品に共通の要素やスタイルが全て含まれていた。そうしたスタイルは繰り返し使われていくことになる。その後、エジプトは次第に国の力を高めていく。そして統一からわずか500年後の紀元前2500年頃には、巨大なピラミッドを建設するほど強大な国になっていた。
黄金期と呼ばれる時代には、王たちが大きな力を持つようになった。そして、より壮大な神殿や彫像が作られていく。紀元前1500年頃に王位についたハトシェプストの時代には、首都テーベの街に、寺院や天高くそびえるオベリスクが建築された。紀元前1350年頃にアメンホテプ4世が王位につくと時代は一変する。彼は、首都テーベを離れ、新たな都市を作るなど様々な改革を進めていった。そうした変化は芸術にも影響を与え、この時代に特有の奇妙な形をした彫像やレリーフが残っている。
紀元前1000年以降、他国からの侵略を受け、政治的には衰退していく。しかし、芸術的には2つの文化が出会ったことで新たな表現を獲得するきっかけとなった。紀元前332年のアレクサンドロス大王の支配以降には、彫刻にもギリシャの様式が取り入れられるようになる。こうした胸像や彫刻にはエジプトの文化と他国の文化が見事に融合した姿があった。
シリーズを通して、新石器時代から古代エジプトが終わりを迎えるまでの歴史をたどり、芸術品の数々を紹介していく。